
『期待通りどころか、期待以上の超傑作!!』
哲学的なテーマと娯楽活劇の超ハイレベルな融合。深読みできる奥行きの深さ、単なるアクション大作としても素晴らしい。物語りも監督らしく、どんでん返しの連続。多少の詰め込み過ぎ感が無くはないですが、152分もあるのに、緊張感と驚きたっぷりで長さは全く気になりません。
余りに凄まじく、余りに圧倒される。「ゴッド・ファーザー」「ロード・オブ・ザ・リング」と肩を並べる傑作だと思います。
まず、役者の全員がいい仕事をしています。クリスチャン・ベイルのプレイボーイぶり、セレブ生活の雰囲気までぴったり。武器開発のフォックス役のモーガン・フリーマンも、執事のアルフレッド役のマイケル・ケイン。この二人で、娯楽作なのに映画に重厚さを加えています。
ゲイリー・オールドマンは渋い演技で、売り出し中のアーロン・エッカートは実力派ぶりを発揮して、それぞれ素晴らしいです。
そして、なんといってもヒース・レジャー。見ていて腹ただしいほどの悪の権化ぶり。一世一代の演技と言ってもいい。
バットマンの行為は「善」であるが、そのやり方は殺人は犯さないが法を外れている。ジョーカーは、このバットマンの「善行」スタイルを裏返す。
「正義」と非道との区別を知っていたはずのバットマンですら、ジョーカーに信念を揺さぶられる...。
悪人は倒せても、悪そのものは無くせない。その意味ではダーク・ナイトの仕事はなくならない。が、その存在そのものが悪の存在を保証してもいるという矛盾。これは、究極の問いであり、映画はそんな深い余韻を残す...。